伊能忠敬の「大日本沿海実測地図」が完成したのが文政四年７月１０日（１８２１年８月７日）です。伊能図は、シーボルトにより国外に持ち出され、１８４０年にメルカトル図法に修正され「日本人の原図および天文観測に基づいての日本国図」を刊行されます。これによりヨーロッパの一部の指揮者に日本人の技術力の高さが認識されるようになりました。
　開国後の文久元年（１８６１年）イギリス海軍が日本沿岸の測量を強行しようとした時に幕府の役人が所有していた伊能小図の写しを見てその正確さに驚き測量を中止し、幕府からその写しを入手することを条件に測量から引き下がったという出来事が起こっています。
　この伊能図は、アフリカ大陸、アメリカ大陸、アジアを侵略し続けた西洋諸国が最後にたどりついた小さな島国が容易に侵略できない國であることを認識させたのではないかと思うのです。24.7.10（裕）

[15回]

素読テキストより
子曰ノタマワく、「士道に志して悪衣悪食を恥ずるものは、未だ与トモに議するに足らざるなり」と　　論語より

意味・・・孔子先生がおっしゃった。「士とは道に志す者であるが、その人が粗衣粗食を恥ずかしく思うようでは、とてもまだ共に道について語り合うに足りないものである。」と

[20回]

藻の花の　重なりあうて　咲きにけり　　正岡子規

　家の前の用水路に藻が一面に蔓延っています。時折、牛蛙がその藻の上に乗って息んでいます。普段はあまりきれいでない用水路に、先日から小さな白い花がたくさん咲いて飾ってくれています。梅の花ににているので、これが梅花藻かなと思うのですが詳しくはわかりません。それはともかく、一年の内、用水路が最も美しい季節です。24.7.8（裕）

[18回]

　舌に載せて　さくらんぼうを　愛しけり　　日野草城
まほろば教育事業団の会員の方から、福島県産の佐藤錦を頂きました。山形産の佐藤錦を食べたことが無いので比べることはできませんが、本当においしいサクランボでした。最近、被災地の農家の方たちが努力を重ね、町や県の放射能の測定を行い、国の基準値をはるかに低い値のものを出荷している様子がどのテレビ局も伝えています。それでも、ほとんどの農産物が被災前より何分の一の低い額でしか売れないし、売れ残る。「先祖から受け継いだものを自分たちの代で終わらせるわけにはいかない。」と話しておられた農家の方がありましたが、風評被害で売れるかどうかわからないサクランボを精魂こめて育てておられるのだろうと想像します。感謝しつつ頂きます。24.7.5（裕）

[19回]

小人は小善を以て益なしとして為さざるなり。
小悪を以て傷ソコナうなしとして去らざるなり。　　易経

　まさに自分のことを言われているようで猛省させられます。二宮尊徳翁の『積小以大』に通じる言葉ですね。24.7.4（裕）

[21回]