東日本の震災以後、西日本でも地震や津波に対する警戒心が高まっています。
　地震だけでなく昨年から、紀伊半島や九州で集中豪雨の被害がありましたが、私の住んでいる高槻でも今年８月１４日に、市内各地で床下浸水が報告されました。ＪＲ高槻駅前が浸かっている様子がネットのいろんなサイトでアップされていました。８月中旬から、毎日ほど,昼過ぎから夕方にかけて１時間の雷雨となる日が続いています。
　高槻がこのような規模で水害が襲ったのは数十年ぶりでＪＲが運航停止になったのは私には経験の無かったことです。　今年の春先に、芥川中流域の水利組合の方からお聞きしたのですが、ここ数年川底の泥をさらえる作業を府が財政難を理由に怠っていて、田に水を引こうとすると取水口が詰まってしまっていたとのことでした。ここは何とか水が流れるようにしたそうですが、似たようなことが檜尾川でもおこっているということもお聞きしました。
　今回の豪雨は何十年に一度かも知れません。しかし川の改修さえ怠っていなければ水害は防げたかも知れず少なくとももっと小さな被害で済んだことでしょう。
　日本の地盤が各地で緩んできてえいるとの説もあるそうですが、百年に一度と言わず千年に一度の天災にも備える覚悟が必要な時だと思います。24.9.7（裕）
　

[21回]

山高きが故に貴からず、
樹有るを以て貴しとす。

　実語教の冒頭の一文です。最近自殺に至る深刻ないじめ問題が多発し、教育論議が盛んに行われています。戦後切り捨てられてしまった『修身』が見直されつつあるのもこうした状況を転換させたい思いからでしょう。その中で『実語教』に活路を求める人が徐々に増えていることは注目されるべきことだと思います。
　実語教に関しては、野口芳宏先生が『言葉と作法』（登龍館）というご著書の中で『実語教』一部分を紹介されており、私はこの小冊子により実語教について知ることができました。。私は教員時代に、国語教育の『名人』として野口先生を尊敬しておりました。その野口先生が退職後著された『言葉と作法』という冊子は国語教育の枠をを超え、道徳教育の基本として子供たちや子育て中の親御さんにお勧めしたい一冊となっています。24.9.2（裕）

[28回]

　涼風や　力いっぱい　きりぎりす　　一茶

　今日、夕方自宅でコオロギの声を聞きました。朝早く畑に行った時には数日前から聞いてはいたのですが、自宅で聞いたのは今年初めてです。一茶の句は『涼風』を季語として夏の句とされています。しかし、『きりぎりす』は秋の季語で夏と秋が重なっているわけですが、名句にはそんな理屈は野暮だといものでしょう。
　今週、用事があって長野に行くことがありました。夜行バスで行ったのですが、長野に着くころ寒さで目が覚めました。昼間はさすがに暑かったのですが、大阪の暑さに比べると随分過ごしやすい暑さです。開放的な昔の家であれば、夏と秋が同居しても不思議ではないと感じました。24.8.31（裕）

[14回]

　秋風に歩いて逃げる蛍ホタルかな　一茶

　日中は猛暑日となる日が続いていますが、早朝には涼しさを感じる風が吹いて畑に向かうときなど心地よさを感じます。風は台風の影響かもしれませんが、日一日と秋が近づいているように感じます。24.8.27（裕）

[18回]

　天地の初めの時、高天原に成りませる神の名は天之御中主神、次に高御産巣日神、次に神産巣日神、此の三柱の神は、並獨神成りまして、身を隠したまひき。
・・・（読み）あめつちのはじめのとき、たかあまはらになりませるかみのみなはあめのみなかぬしのかみ、つぎにたかみむすびのかみ、つぎにかみむすびのかみ。このみはしらのかみは、みなひとりがみなりまして、みみをかくしたまひき。


　古事記の冒頭です。読み方は「高(たか)天(あま)原(はら)」だけでも「たかあまはら」「たかまのはら」「たかまがはら」の三種類があります。古代の日本語の発音を漢字で表したものを時代が下って読むのですから、どう読めば良いのか考えが分かれてしまうのは仕方がないと思います。しかし、共通しているのは神のことを表している場合、『名』とあっても『みな』、『身』とあっても『みみ』と美称を付け加えて読み表してきたことです。声に出して繰り返し読めば古代の響きが伝わってくるようになります。24.8.25（裕）

[21回]