ぽつぽつと　闇に穴あく　蛍かな
　今の季節は玉川の卯の花と新川のヒメボタルが私の関心事です。新川のホタルは私のカメラではどうしても真っ暗になってしまいます。この写真で思い出したのが『ぽつぽつと』の句です。禅宗のお坊さんのの句であることには間違いないのですが作者は失念しました。どこに蛍がいるのかじっと見ても分かりません。
　なん」だか自分のやっている『素読の集い』のようだと感じてしまいます。しかし、確かに草むらの中で星座のようにｊ光る蛍たちはいるのです。日本の各地で『素読』広まりつつあるのです。蛍は一匹が光るとそれに反応するように周りも光り出します。私の光は安物のカメラでは映らないほどの小さな暗い光でも、周りの仲間も光り出すことを信じて頑張ろうと思います。24.5.23（裕）

[13回]

　卯の花のこぼるる蕗の広葉かな　　　蕪村
　夕づけて水に音なく降る雨は卯花くたす初めなりけり　　上田秋声
　
　今日はわずかですが雨が降りました。夕方畑に行くと柿の花がいっぱいこぼれていました。玉川の里の卯の花は満開を迎えている頃でしょうが、早く咲いた花から散り始めているかもしれません。卯の花くだしといえるほどの降りではないと思いますが、上田秋声の和歌のように卯の花を降す初めなのかも知れません。本格的な長雨の前に、今週中にもう一度玉川の里を訪れてみたいと思います。24.5.22（裕）

[18回]

　春過ぎて夏来るらし白妙の衣乾したり天の香具山　　　持統天皇
　今日、夕刊に神戸の私立松陰中学・高校で衣替えが行われたことが記事になっていました。白いワンピースでさわやかな感じがします。横一列に数人並んだ姿から持統天皇の『春過ぎて』の和歌がイメージに浮かびました。
　５月いっぱいはどんなに暑くても冬服で過ごした自分の学生時代と比べてみて、ひと足早い衣替えがうらやましく感じます。24.5.21（裕）

[20回]

　やや右上にしみのような白い点があるのがみえるでしょうか？ヒメボタルの光なのですがほとんど見えませんね。
　今日（５月２０日）ホタル狩りに行ってきました。自転車を置いて、鑑賞のポイントに向かって川沿いを歩いているとおばあさんと道連れになりました。（私も還暦を過ぎているのですが一回りぐらい年上の感じの方です）「暗くて心細かったので助かります。」ということですので、話をお伺いしながら一緒に歩いて行きました。「この辺までの桜の木は市が植えてくれたんですが、そこから先は町内会で植えたんですよ。わたしも４本植えました。」「住宅地ができた当時は、換気扇の隙間から家の中までホタルが這入って来たんですが、最近は少なくなってきました。」など色々と説明をして下さいました。
　鑑賞ポイントにつくと親子連れの方がたくさん集まっていました。子供さんに見せたかったんでしょうね。
　今日は少し風があり、気温も少し低かったようで、草むらで光っていました。たまに飛ぶホタルがいると歓声があがりました。「ダイヤモンドみたいやね。」「星座みたいやね。」など親子の話が聞こえてきました。
　実は昨日が観賞会で、昨日は関大生のボランティアが３０名ほどきていたということでした。地元のケーブルテレビも取材に来ていたそうで放送されるようです。昨日は風もなく暖かっかったのでたくさんのホタルが飛び交っていたということでした。まだ後一週間ぐらいは見られると思います。天気がよく風のない日にもう一度行きたいと思います。私のカメラではきちんと映らなかったのですがケーブルテレビは機械が優れているので美しく映っていると思います。現地にいけなくてもケーブルテレビで見られると思います。（別にケーブルテレビの回し者ではありませんが）24.5.20
（裕）

[20回]

　語らざる悲しみ持てる人あらむ母国は青き梅実る頃
　美智子皇后さまの平成１０年の英国ご訪問の時の御歌です。
詞書きには
『英国にて元捕虜の激しき抗議を受けし折り、かって「虜囚」の身となりしわが國人の上もしきりに思はれて』
とあります。
　６０年前の女王の戴冠式や、平成１０年の御訪英は、今回のエリザベス女王御即位６０年記念式典御参加と違い、厳しい状況があったことが察せられます。
　天皇皇后両陛下は、エリザベス英女王の御在位６０年を祝う記念式典に御参加のため英国を訪れておられましたが、すべての日程を終え、間もなく帰国の途につかれます。
　今回は御在位６０年奉祝ムードの中、天皇陛下も英国人から大歓迎で迎えられました。
　しかし、６０年前のエリザベス女王の戴冠式に昭和天皇のご名代として御出席になられた時には、敵国として戦った記憶の生々しい時期、しかも敗戦国の代表として針のむしろの上に座らされた状態であったと想像されるのです（当時私は３歳でしたが）。１９歳のお若かさで当時の皇太子殿下であらせられた陛下が御勤めを立派に果たされました。その中から学ばれた事の大きさが平成１０年の天皇としての御訪英の時に英国人から、陛下が最高の紳士と敬服されることに結び付いたのだと思います。
　当時、敵国として戦い捕虜になるなどして悲惨な目にあった退役軍人たちが、陛下御訪英時に激しいデモ活動を行ったのです。陛下は女王陛下主催晩餐会のお礼の御挨拶の中で、「戦争により人々の受けた傷を思う時深い心の痛みを覚えますが・・・このような過去の苦しみを経ながらも、その後、計り知れぬ努力を持って、両国の未来の友好のために力を尽くしてこられた人々に、深い敬意と感謝の念を表したく思います。・・・」と御述べになられたことでデモを行った人々からも敬愛されるようになられたのです。
　６０年前当時の皇太子殿下は戴冠式御出席後半年間世界各地を回られましたが、御帰国後に学習院は皇太子殿下を単位不足で留年としたのです。しかし、学習院で１００年学んでも学びきれないことを半年で学ばせられたという事実を学習院は思い知らねばならないでしょう。24.5.19（裕）

[19回]