玉川の　岸の卯の花　咲きぬれば　汀にしらぬ　波ぞたちける　良平

摂津玉川の里は、平安時代から多くの歌集の歌枕として歌われ、人々に親しまれてきました。昨日のブログでは、芭蕉の句を紹介しましたが、今日は和歌を紹介します。
　
村雨の　露置きわたす　卯の花の　垣根続きや　玉川の里
　
　今は、番田用水の一部となり、昔の面影はありませんが、昔は水量が豊かで岸は、初夏に卯の花が香り豊かに咲き乱れていたそうです。
　秋は水面に月を写す姿を親しまれ、日本六玉川の一つに数えられていました。
　『村雨の』は子供のころから玉川の説明の時に幾たびも聞かされた親しんできた和歌ですが、作者など詳しいことは知りません。調べて分かればまた記事にしたいと思っています。24.5.12（裕）

[18回]

卯の花や　くらき柳の　およびごし　芭蕉
　上の写真、左は『玉川の里』にある芭蕉の句碑です。芭蕉の１５０回忌に天保１４年この付近に建てられたと伝えられています。卯の花やの句が彫られています。
　右は句碑近くの卯の花です。ちょうど咲き始めたところです。来週あたり見ごろではないかと思います。夕方ここで卯の花を見て、暗くなりだしたら新川に向かいヒメボタルを鑑賞するのも風流かと思います。そう上手くいくかどうかは自然相手のことなので天にお任せするだけですが。24.5.11（裕）

[31回]

 素読プリントよりその13
志(し)貴(き)の皇(み)子(こ)
石(いわ)激(ばし)る　垂(たる)水(み)の上(うえ)の　さ蕨(わらび)の　萌(も)え出(い)づる春(はる)に　なりけるかも
意(い)味(み)・・・滝(たき)の上(うえ)のわらびの芽(め)が伸(の)びだしてきた。春(はる)になったんだなぁ

・・・昨日の朝方の雨の後、気温も上がり、今日は一日晴れて、春らしい陽気となりました。志貴の皇子が春をむかえた喜びを歌ったのもこのような陽気の日ではなかったかと思われます。声に出して読みますと喜びが伝わってくるようです。（裕）

[42回]

素読プリントよりその11
男子一戦して敗ヤブるるとも已ヤむ無かれ
再戦して已む無かれ、三戦して已む無かれ
刀折れ矢尽ツきて已む無かれ
骨砕け血尽きて後已むのみ
　　　　　　　　　　　　　　　　　新島襄ニイジマジョウ

・・・この前の素読の集いで、大人の人たちに素読集の中から好きな文章を選んで朗読や暗唱をしてもらいました。新島襄先生の文を選んでくれた人があり、大変嬉しく思いました。他の素読の会で、新島先生の文章をテキストとして選ぶことは少ないと思います。私は、孔子、松陰先生の次に新島襄先生の言葉を選んでいます。学生時代は、学園紛争の嵐が吹き荒れた70年安保時代を同志社で過ごしました（学んだとは言い難いのですが）。クラブ活動に明け暮れた私ですが、校祖新島襄先生の言葉は生命が宿っているように感じるのです。（裕）

[55回]

明治天皇御製
橿原の遠つ御親の宮柱たてそめしより国は動かず
橿原の宮の掟オキテにもとづきてわが日の本の国をたもたむ

・・・神武天皇が橿原の宮で詔ミコトノリ為されて神に御誓いになられたことは
六合リクゴウを兼カね 以モッて都を開き、
八紘ハッコウを掩オオいて宇イエと為さん
（あらゆる国が独立を保ちつつ、その上に(兼ね）一つの都を開いて、世界中が一つの家族のような平和な世の中にしよう）。
明治天皇が掟と歌われたのはこの御誓いのことでしょう。
いわゆる八紘一宇ですが、この前には
いやしくも民オオ ミタカラに利クボあらば、なんぞ聖ヒジリの造ワザに妨タガはむ
とあります。民をオオミタカラと読み、その民衆の利益になる事を踏み行えば聖賢の道に適わないことがあろうかとの意味です。国を打ち立てた初めより、日本独自の民主主義を表明したものとして誇りを持って返り見るべきではないでしょうか？
ほとんど筑波大学名誉教授の竹本忠雄先生の受け売りです。
大震災を経験した後の年、古事記編纂1300年に当たる今年こそ、竹本先生の言われたように日本人の誇りを取り戻すことがが大切なのではないでしょうか。（裕）

[62回]