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毎月、高槻市で素読の会を開いています。「素読とは」「素読について」「家庭での素読に仕方」など「素読」に関心をお持ちの方必見の記事も多数アップしています。
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・今日は孔子の言葉が一番心に残りました。
  子曰く、志士仁人は、生を求めて以て仁を害すること無し、
  身を殺して以て仁を為すこと有り。

 そういう人間になれたらいいなぁと思いました。
・文を一緒に読むのが楽しくなる。いろんなことばがあって楽しい。おもしろい。
・普段大きい声を出して読むことがないので声をあわせて読むことは健康にもかなって大変良いと思います。いい機会を与えて頂いて感謝しています。

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西大冠会場は11名、寿栄会場は8名の参加でした。
今日は、参加者の感想を載せます。(裕)
・毎日、学校に行く前に家族と一緒に素読をしています。『蜘蛛の糸』の大どろぼうのカンダタの続きを知りたいです。今日は楽しかったです。
・朝の登校前に子供につき合って素読をしています。口先で読んでいた声が少しずつお腹から出す力強い声に変ってきています。小さな積み重ねですっ賀大切にしたいです。
・声に出して文を読むことは、個人ではできませんが着き一回でもこのような集いを持っていただき、いろいろな良き言葉に接してとても喜ばしく思っています。

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 素読プリントよりその14
(しゅん)(ぎょう)       (もう) 浩然(こうねん)
春眠(しゅんみん)(あかつき)(おぼ)えず
処々啼(しょしょてい)(ちょう)()
夜来(やらい)風雨(ふうう)(こえ)
(はな)()つること()多少(たしょう)

  意味(いみ)・・・(はる)(ねむ)りは(ここ)()よく、つい寝過(ねす)ごして夜明(よあ)けも()らなかった。(()()めるとさわやかな(あさ)で )(とり)()き声が聞()こえてくる。(ゆう)()(あめ)(かぜ)がかなり(はげ)しかったようだ。()がかりなのは(ばな)がどれだけ()ったことやら。

・・・素読について数回書いているうちにずいぶんと温かくなってまいりました。春の漢詩と言えばやはりこの『春暁』が代表格でしょう。(裕)

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  明治以降で、素読で育った天才といえば日本人最初のノーベル賞受賞者である湯川秀樹博士とその兄弟をあげなければなりません。博士の兄二人は、小川 芳樹 (冶金学者・東大教授)、貝塚茂樹(東洋史学者、京大名誉教授、文化勲章受章)、弟は小川 環樹 (中国文学者・京大名誉教授)、というように天才一家と呼ばれるにふさわしい四人兄弟でした。
 湯川秀樹博士は5,6歳のころから、元紀州藩士の祖父より
漢籍の素読を習っていました。博士は自伝に
『ただ祖父の声につれて復唱するだけで、知らずしらず漢字に親しみ、その後の読書を容易にしてくれたのは事実である。』(「旅人 ある物理学者の回想」49p)と述べています。兄弟皆が祖父から籍の素読を学んでいるのです。
 ついでに言いますと、湯川博士の父は小川琢治(地質学者・京大名誉教授)であり、やはり博士の祖父(小川琢治の父)から漢籍の素読を学んでいます。素読の効用恐るべし。(裕)

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素読で育った江戸時代の人の子どもの時の作品や逸話を数点あげてみます。年は数え年なので、満年齢だと1,2歳若くなります。 

述懐ジュッカイ    頼 山陽 ライサンヨウ(14歳正月の作)
十有三春秋  逝イく者は已スデに水の如し
天地始終シジュウ無く    人生生死有り
安イズくんぞ古人に類して
千載センザイ青史セイシに列レッするを得ん

 
啓発録ケイハツロク 橋本左内ハシモトサナイ(15歳の作)
  1. 去稚心  幼い心から離れる。昔の人は12、3歳で親元を離れ、手柄・功名をたてていた。
  2. 振気   粉骨砕身し気を振るって人の下に 安んじたくないということを忘れない。
  3. 立志   志のない者は魂のない虫と同じ。
  4. 勉学   よい人、優れた人の善い行い、事業を追体験して習ってゆくことです。
  5. 択交友  友をえらぶ。益友とは剛正毅直・温良篤実・豪壮果断・才識卓越・明亮の5つ。
・・・啓発録の最後の部分を原文で載せます。
後世必吾心ヲ知リ吾志ヲ憐ミ吾道ヲ信ズル者アラン歟
(意味)後の世に自分の心をわかってくれ、志をあわれんで、自分の自分の信念や生き方を信じてくれる人が現れるだろう。
 
吉田松陰ヨシダショウイン
11歳の時、藩主・毛利慶親への御前講義の出来栄えが見事であったことにより、その才能が認められた(満10歳前後で殿さまの前で軍学の講義をした)。
 
・・・3人を取り上げましたが、江戸時代を通じてこのような例は数限りなくあります。しかし、いかに天分を持っていても、素読という方法と四書五経という基本テキストを含めた教育システムがなかったら、その才能を発揮できなかったものと思います。志の高さと表現力は驚くほかありません。(裕)

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