素読の効用について説明する時、よく石井式漢字教育の石井勲先生の言葉を使わせてもらっています。
　その石井先生の言葉の中でも、幼児教育・家庭教育の大切さを最もよく伝える言葉が『親こそ最高の教師』です。今日は、石井先生の文章をそのまま引用させていただきます。（裕）

親こそ最高の教師
　どんなに学校教育が盛んになり、内容が立派になっても「百までも」という”三つ子の魂“が親の手によって出来上がっていて、学校はその土台の上に建物をのせるようなものです。同じ学校で、同じ教師に同じ教育を受けても、十人が十色になるのは親の教育が異なるための当然の結果で、「親は百人の教師にまさる」という表現は決して誇張とは言えません。その意味で、私はこれを「親こそ最高の教師」という言葉で表現したいと思います。

[42回]

素読は『ただ、素（す）になって読めばよい。』と説明しても、必ずと言って良いほど「何で意味がわからなくてもいいの？」と質問が返ってきます。

繰り返して唱えて（繰り返しに耐える文章が素読に向いています）、骨身にしみる感じで覚えた言葉は、生活体験の中で「ああ、こういうことだったのか」と理解される時があります。

楽しいこと、苦しいこと、悲しいこと、いろんな体験を積み重ねる中で理解が深まっていく。人生の中で、幼少時に学んだ言葉が活かされる。十代には十代のときの理解、三十代には三十代の理解、・・・素読で暗唱した文は人生を豊かにすること間違いなしと信じています。

今、意味が理解できなくても、素読は未来への最高の贈り物となることでしょう。（裕）

[66回]

　素読のよさはわかったけれど、やり方が分からないというメールを頂きました。素読の集いに参加してくださればよいのですが、遠方の方も居られますので簡単に説明させていただきます。
　素読は、文の意味を考えずに素（す）になって読むのですから、大人が読み方さえわかればできます。大人が読み、子供がまねる、それを繰り返すだけです。ポイントはどこで区切るかということになると思います。はじめは短く区切って子供がすらすらと言えるなら区切りを長くしたらよいと思います。
　最近は素読に適した本が多数出版されているので、テキストには困らないと思います。高槻素読の集いでは、１年半続けてきたプリントを教材集にまとめる作業をおこなっていますので、出来あがれば、メールの添付書類でお送りすることも可能になります。（裕）

[64回]

『私はこのころの漢籍の素読を決してむだだったとは思わない。

意味もわからずに入っていった漢籍が大きな収穫をもたらしている。

その後大人の書物を読み出す時に文字に対する抵抗は全くな

かった。漢字に慣れていたからであろう。慣れるということは恐

ろしいことだ。

　ただ祖父の声につれて復唱するだけで、知らずしらず漢字に親し

み、その後の読書を容易にしてくれたのは事実である。』

（「旅人　ある物理学者の回想」）

[65回]

素読とは・・・書物に書かれた意味・内容を考えずに音読することです。

素読をすることによって日本語の美しい響きを感じ、日本語の豊かさに親しむことができます。

それだけでなく、素読には学術的な（主に脳科学からの）効果があることが知られるようになりました．日本最初のノーベル賞受賞者湯川秀樹博士も幼い頃、祖父から素読を学んでいました。

高槻にてみんなで素読をする会を行っています。

言葉を豊かにして感性を磨き、人間力をパワーアップしましょう。

 

こんな力が身につきます！

読書が好きになり、 言葉が豊かになります	“話す力”“聞く力”は 「読む」　ことによって育ちます。
豊かな思考力が育ちます。	知性や感性、そして心を育み 人間的な成長が望めます。

集中力が高まります。

全ての学力の基礎となる “国語力”が育ちます。

[68回]