寒　　梅　　　　　新島　襄ニイジマジョウ
庭上の一寒梅イチカンバイ 
笑って風雪を侵オカして開く 
争アラソワず又力ツトめず 
自ら百花の魁サキガケを占シむ 
 
・・・今日は地元高槻市の生涯学習センターに立ち寄りました。１階で盆梅展が開催されていました。まだチラホラとしか花をつけていませんが、どれも見事な梅の木でした。こちらとは違って、東北はまだまだ梅の花は咲かないことでしょう。しかし、岩手県大槌町で出会った人たちは、厳しい風雪を耐えしのび、平然と笑って春を待っていることと思います。新島襄先生の「寒梅」の詩のように。（裕）

[52回]

素読プリントよりその11
男子一戦して敗ヤブるるとも已ヤむ無かれ
再戦して已む無かれ、三戦して已む無かれ
刀折れ矢尽ツきて已む無かれ
骨砕け血尽きて後已むのみ
　　　　　　　　　　　　　　　　　新島襄ニイジマジョウ

・・・この前の素読の集いで、大人の人たちに素読集の中から好きな文章を選んで朗読や暗唱をしてもらいました。新島襄先生の文を選んでくれた人があり、大変嬉しく思いました。他の素読の会で、新島先生の文章をテキストとして選ぶことは少ないと思います。私は、孔子、松陰先生の次に新島襄先生の言葉を選んでいます。学生時代は、学園紛争の嵐が吹き荒れた70年安保時代を同志社で過ごしました（学んだとは言い難いのですが）。クラブ活動に明け暮れた私ですが、校祖新島襄先生の言葉は生命が宿っているように感じるのです。（裕）

[55回]

今日は、寿栄会場で素読の集いを行いました。参加者は12名です。
初めての参加者の感想を載せます。
・初めは、素読？って感じだったのですが、先生に続いて読んでいくだけで、とてもよい言葉にたくさん触れることができ勉強になりました。今後が楽しみです。一時間が短いです。
・意味はわからなかったけど、すごく面白かった。
・声を出して言ったのが楽しかった。
・・・月一回だけなので、朝など時間を決めてご家族で素読を続けられるといいですね。（裕）

[52回]

素読プリントより　その10
菜根譚サイコンタン第56条
書を読みて聖賢ケン見ざれば鉛槧エンザンの傭ヨウとなる
官に居て子民シミンを愛せざれば衣冠イカンの盗トウとなる
　・・・書物を読んでもいたずらに文章の解釈にとどまっていて、偉人の精神を学ばなかったら、コピーしているのと違いはない。役人となって市民を愛さなかったならば、給料泥棒である。
　菜根譚サイコンタンという書物の名は『人常に菜根を咬むを得ば、即ち百事做ナす可ベし』という言葉から出ているということです。（菜根は堅くて筋が多い。これをかみしめてこそものの真の味わいがわかる。常に菜根をかみしめることのできる人は何事もできないことはないという意味でしょう）
 菜根譚の文章は、 私には反省させられたりやる気を起こさせられる文章が多いのです(裕）。

[54回]

   前回は、ドーマン博士の考えに基づいて、人間にしかできないことは何かを突詰めていくと「直立姿勢」にたどり着くことを説明しました。では、人類が初めて直立したときの姿勢とはどんな姿勢だったのでしょう。私は赤ちゃんが生まれて初めてたつときの姿勢を想像しています。必死でバランスをとるためにお尻を後ろに、お腹を前に突き出した姿勢です。実はこの姿勢こそ、故森信三先生が提唱されておられた『立腰リツヨウ教育』の『腰骨を立てる』姿勢そのものなのです。
　各地で開催されている『まほろばの会』の素読教室で素読とともに最も大切にしているのがこの『腰骨を立てる』ということなのです。素読は言葉に関する「話し」「聞き」「読み」そして、「理解」するという人間として最も大切な能力の基本を養います。そして、「立腰」は人間を人間たらしめる姿勢です。現代人の生活様式はこの最も大切な『姿勢』を崩させているのではないでしょうか？
　『言葉』と『姿勢』については今後とも考えていきたいと思っています。このブログをご覧の皆様のご意見もお待ちしています。（裕）

[55回]